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吉祥寺のファンタジー
14日、映画『グーグーだって猫である』を観た。 原作は大島弓子。吉祥寺に長いこと住んでいる彼女が、飼っている猫のあれこれについて描いたエッセイ漫画(←実はまだ読んでない)。彼女は萩尾望都などと同時代のいわゆる「花の24年組」の少女漫画家だ。このへんの時代の少女漫画は、一時期かなり偏って読んでいた。特に大島弓子はそのきっかけとなった作家でかなり好きな漫画家である。 そんな彼女の漫画が原作な映画ということでとりあえず観た。 ・・・で、ひとことで言えば、吉祥寺を舞台にしたファンタジー映画だった。大島弓子が描く漫画の世界観やキャラクターをなるべくそのまま実写映画に当てはめたような映画だったけど(マーティ・フリードマンの役みたいのは、大島作品に度々出てくる。見た目がまんま)、現実に即した映画と乙女ロマンな漫画のギャップはこうも激しいのかと愕然とした。 大島弓子の作品はどれもかなりふわふわしていてどこか異国のおとぎ話っぽい。不条理な空気感に満ちた乙女チックな少女マンガであり空想であり詩作でもあるのに、「吉祥寺」という現実的な舞台の中で、地に足着いた生身の役者が演じた映画はどんな大島漫画よりもファンタジー(絵空事)と化していた。 もともと大島漫画の作風は詩的な演出が多くて、内容もかなり内省的な側面が強い。一見軽い絵柄に反して、内容は精神的苦痛を伴う重たい話が多い。映画でも原作をオマージュとした決して軽くはない台詞や言葉が脚本のあちこちに散りばめられていたのに(それもかなり作為的に)、それらはスクリーン上では何の重みも持っていなかった。ファンタジーゆえの希薄さがあった。 こうなってしまうと、大島弓子という作家の作品が、もはや「漫画」でしか表現できない類いの物であったという他ないだろう。 まぁ何が一番ファンタジーかって、 映画のはしっこにあまりにもナチュラルに存在していた楳図かずおの存在がファンタジーだ。 そこだけが笑えた。 【備考】 「大島弓子」であれこれ検索かけてサーフィンしてたらこんな評論を見つけた。 書籍化されてる中では数少ない大島弓子評論。 そして当時としては先端的だったであろう「少女マンガ」論。 他にも倉多江美とか山岸涼子とか取り上げてるみたいだね。 ていうか、かつて橋本治が漫画評論していたなんて知らなかったわ。 大島弓子は今でももっと読まれていいと思う。 「へぇ、あんたもNANAっていうんだ」なんてほざいてる場合じゃないと思う。 その辺のことについて、いずれまた書くつもり。
なんとかの上のポなんとか
1日。 映画千円だからなんか観ようと思って、新宿バルト9ってところで『崖の上のポニョ』を観た。 巷で流れていた主題歌の洗脳的中毒性と、これは子供向け映画ですよと世間体に銘打たれた「前フリ」。それらの前情報から察するに、宮崎駿というビックネームが作り出した『崖の上のポニョ』という映画からは、一筋縄では行かない狂気の電波をビシビシと感じ取っていた。 そしてまぁ実際に観てみたら、大方の予想を遥かに上回る狂気っぷりに僕は畏れおののいた。何に畏れたかってもう、達観したとも言ってもいい或る極致まで到達していた宮崎駿監督自身にだ。こういう仙人レベルの人にはつくづく近寄りたくないなと思う。
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愛の伝道師、あるいは冷酷な守銭奴
いやー、新年です。 年越しはN饗の第九を聞いたあと、『ガキの使い』を見て過ごしました。 「板尾創路のブラックジャック」 面白かったですね。 あれには元ネタがあるみたいで、 昔、手塚治虫のブラックジャックの実写版として 「加山雄三のブラックジャック」 というドラマがあったんですね。 もちろん主演は若大将・加山雄三さんです。 YouTubeでそのドラマのOPがありました。 この世に果たしてロマンはあるか。 人生をいろどる愛はあるか。 最初の踊りに意味はあるのか。 なんかすげぇ見たくなってきたぞ、この色物ドラマ。
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